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2008年11月29日 (土)

最後にもゆる

Pb280137雨上がり。はやい風が雲をさらって、おひさまがゆうくり地上に微笑むと黄色・紅色・朱色、それぞれの葉っぱが燃えだします。今年一番の輝きを讃えるように謳います。今年のいのちをしめくくるようなコーラスが、讃美歌が街を山を埋めてゆきます。美しい声にしばし足を留めて深く息を吸い込めば、あたらしい冬がはじまります。

黄落や母の日暮の母は白し  高柳重信

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2008年11月25日 (火)

帰り花があるのなら

Dscn0386皆様、この三連休は如何過ごされましたか。私は奥さんの田舎、出雲に帰ってました。そして20年前に亡くなった親友のお墓参りもすませました。岡山から出雲までの道のりには山と海、そして湖があってとても豊かで美しい景色をいくつも観ることができます。雪を被った大山、夕陽になじんでいく宍道湖、青空に映える出雲大社。どれもがおだやかで悠々として、人間のちっぽけな感情などひと吹きに、きれいにしてくれます。なかでも心にしみたのは帰り花が照り返す光と空の青でした。花は突然、季節を間違えたように咲くことがあります。もしも魂とか生命が順番や予定とは違ってふたたび生まれてくるならば、また会いたい人はたくさんいるのです。でも、花や蝶になってその姿を見せてくれているのなら、精一杯愛でて褒めて綺麗な姿を写真に俳句にとどめてあげたい限りです。

冬麗や草に一本づつの影   桂信子

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2008年11月12日 (水)

12号

Pb0605232006年の立春に創刊された『はるもにあ』が3度目の立冬を迎え、12号が発刊されました。創刊号にあった満田主宰の「俳と詩の調和を目指します」の言葉がより鮮明に聞こえてきます。でも、その道は厳しいですね。詩情のある俳句を自然に生み出すには、息をするように、ご飯を食べるように、歌を歌うように毎日の日課として俳句とつきあわないと、より自然体の俳句はでてきそうにありません。田中裕明先生が目指した豊かで優しい詩の世界を目指すのは容易なことではないですが、安っぽい詩ばかりだと、結局は人の心にも残らない、それ以前に自分の心にも残らない。だから、あわてずに、でも軸のぶれることななく「はるもにあ俳句」を「裕明俳句」を学んでゆきたいと思います。

わが枯野思ふとはただ歩くこと   田中裕明

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2008年11月 6日 (木)

時をとどめて

Heartfruit7日にはもう立冬です。槇原さんの「冬がはじまるよ」が聞こえてきそうです。まだ色づかぬ木の葉はたくさん、だというのに。晩秋の美しさをもっと堪能したい、豊かな秋をとどめておきたい、と思って、多分、今年最後のピオーネをいただきました。岡山に来て一番得した食べ物はと言えば、きっとピオーネを挙げるでしょう。リーズナブルな値段で種がなくて糖度は十分。きっと苺と同じくらいいただいていると思います。その今年最後のピオーネを楽しんでいると、ひと粒だけ違うかたちのものがありました。ふたつがひとつにくっついてハートのかたちになっていました。これはこれは愛情運に恵まれる、と思いデジカメにぱちり。今年の秋をかたちにとどめて、美味しく頂戴しました。

山に雪ラ・フランスも食べ頃に   飯島晴子

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2008年11月 3日 (月)

飽きないもの

Pb010026かなり飽きっぽい性格だと思います。その反面、一度芯から好きになってしまうとずうっと好きでいられる。そんななかでお墓参りは飽きることがありません。菩提寺のお墓が山の斜面にあり、季節感をいつも感じられるから。お墓がきれいだと他のことがうまくいってなくても何とかなりそうだから。お供えを狙っている烏もある一定の儀式の時間は人間の時間として待っていてくれるから。いろんな理由がありますが、お墓参りまでの一連の流れが楽しいから、が一番の理由かもしれません。岡山の家をでて、高速にのると間もなく瀬戸大橋です。瀬戸内海の風景は見飽きることがありません。橋を渡ると、讃岐の国。ここにはおいしいうどん屋さんがたくさんあります。その日の状況、気分で必ずどこかによって腹ごしらえをしてお墓の掃除に臨みます。讃岐の国にはおいしい和菓子屋さん、赤飯屋さんがあって、ここでお供えのおはぎや豆餅を買います。そして道の駅に寄ってお花を買って、やっと山を越えて讃岐から阿波の国に入ります。山を降りて吉野川を横目に走っていると田舎の盆地の景色がひらけてゆきます。その盆地の南側にある山に菩提寺とお墓があります。急な坂をのぼって盆地の全景がみえる場所にお墓がずらり並びます。住職曰く「ずっと子孫のようすを観ながら、見守っているんですよ」その言葉通りの町の作りになっています。こんな過程だからこそ飽きない墓参になるのでしょうね。霜月のお墓参りも気持のいい空と風のなか無事終えることができました。

ちちははの近くに落葉拾ひけり   田中裕明

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